奇遇だね!

大切だった鉛筆

 今日、職場の暑気よけの会があった。
偶然私のとなりに、同じ日に入所した女性が座ることになった。
彼女の苗字が、初対面(入所当日の研修)の時から気になっていた。
小学生の頃、私が秘かに憧れていた女性MHと同じだった。


話をしているうちに、彼女の旦那の名が私と同じだと聞き、今まですっかり忘れていたこんなことを思い出した。


私たちが小学6年生の時、MHに一周りも歳の離れた弟が出来たこと、そして、その弟に私と同じ名がつけられたということ。
校庭でMHからその話を聞き、訳もなく、私がそうである様に彼女も私に好意を持ってくれていたんだといった、とりとめのない確信。そして、無邪気な嬉しさと、なんとなく気恥ずかしい気持ちの混ざった幸福感に包まれた事があった。


そんなことは・・・と思いながら「○○中学校の近くに住んでいたMHさんて知っている?」と彼女に聞いてみた。
彼女は、こう答えた。 「MH は、私の夫の姉です。今はMOですけどね」


 あの時、理由は分からないが突然、使い古しの短くなった鉛筆3本を私にくれたMH 
それを、筆箱に入れ、大切に大切に宝物のようにずーっと取っておいた私 

もう50年も前のこと


そして今、この場所で、驚き顔で話しをしている「私」と「MHの義理の妹」