弔辞 ん?

大昔(今よりず~と若かったころ?)友人に冗談で話したことがある。

弔辞(誰の?)を読んでくれるなら参考にと披露したものだ。

 ①-0■ちゃんよ、お前さんね、これはないんじゃないの。 突然、俺たちにこんなものを読ませるなんて・・・  第一このやり方はまったく■ちゃんらしくないじゃないかよ。
  ■ちゃんとの付き合いが始まって 30年以上もたつけど、■ちゃんは、いつだって俺たちに対して「お先にどうぞ」だったはずだよ。
  毎年毎年馬鹿みたいに繰り返される、春の異動の時だって、皆の昇進・昇格 を横目に■ちゃんはいつでも決まって「お先にどうぞ」だったよね。
  みんなで、飲み明かして朝もやの中を千鳥足で帰る列でも、いつも一番最後 から
ばつわるそうについてきて「お先にどうぞ」
  俺たちは、戸惑いながら気遣いながら、「じゃ、お先に行くね」を繰り返したっけ。
 それなのに、こんなときだけ「じゃ、お先に行くね」って言われたって、俺 たちはどう答えればいいんだい。

  それにしても、■ちゃんて、わけのわからない人だったね。
  A社の3大奇人と言われた時期は、①-1 池の魚と会話したり、②掃除機の使い方を間違ったり、酒飲みが盛り上がってきた頃になると決まって「ちょっと便 所へ」といっ
てはそのまま、③便所の窓から逃げ出したり   やれ、③-1 一酸化炭 素中毒の人体実験はやるは 、 ストーカーなんて言葉がなかった頃に、④オートバ イで同じ場所を行ったりきたり。   また、50 歳近くになって突然「⑤俺はこれから風になるんだ!」と言い出し、パラグライダー・スクールに日参しパイロッ トのライセンスを取得しておきながら、場所を間違え⑥10 メートルの樹上に着 陸(?)したり、⑦50 メートルの高度差の空間を 3.4 秒で高速降下してみたり
 また何を思ってか、唐突に⑧肛門の位置を変えてみたり。
とうてい健全な思考回路の持ち主とは思えない人だったよね。

 
それから、■ちゃんは嘘つきだったね。
「俺は 30 になったら死ぬ   誰がなんと言おうが⑨絶対 30 になったら死んでやる」って言って、よく俺たちを戸惑わせたね。
  そのとき俺たちは、いつもこう思ったよ「タイマーセットの時限爆弾じゃ あるまいし、どうやったら 30になったら絶対死ねるんだ・・・」

そう言っておきながら今まで2倍も生きてきたじゃないか・・・  でもどうせ嘘をつくなら 2.5倍も3倍もの大嘘をついて欲しかったよ。

  

  いずれにしても、一方通行の道なので   こう言うしかないね

「残念だけどお先にどうぞ・・・      そのうち俺たちも、できれば、順送りでそこ に往くから、そのときはよろしくね」

  「お願いだから、そっちでは、わけのわからない言動は謹んでくれね。もう 嘘をつくことはなくなったかもしれないけど・・・」

「それから、残された奥さんや、子どもたちのことが気になるだろうけど、 子どもたちはともかく、奥さんのことは心配するな、⑩俺たちが何とか面倒見る から・・ん?」

 それじゃ   またあとでね   ⑪さよならは言わないよ。

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以下は故人の注釈及び(釈明・本音)

 ① -0・・・確かにキミ達は、私の友人で、弔辞を読んでもらってはいる。しかし故人を■ちゃんと呼び捨てにするのはいかがなものか?(正確に■■さんと呼んで欲しかった。次の機会  の参考に!)

 ① -1・・・確か 30 年ほど前のA社には中庭があり、そこに小さな池があり魚が飼われていたときのことと思われる。私は昼休み何度か「ほら昼飯だぞ!」とかいいながら魚にパンくずな  どをやった記憶がある。それを側聞した人から広まったもののようだ。  (私は「ドリトル 先生」などでは絶対ない!)
 ②・・・純粋物理学的な興味から、流体力学ベルヌーイの定理」の実証実験をしたものだ。(でもあれは、「ただ痛いだけの実験」だった!)
 ③・・・正確には次のとおり   宴席を中座するのに「便所へ行ってくる」といい用を足すと店の玄関からそのまま帰宅してしまい宴席に戻ることがなかった。
(こんな小さな窓から逃げ出 せる奴は、泥棒か、忍者くらいなものだ。)
 ③-1・・・ぐうたら庵HPの「本日のメニュー」17 年10 月10 日に掲示のとおりです。
 ④・・・たしかにそんなことがあったような気もするが、多分 35年以前のことと思われ確かな記憶が無い。(35 年前とは私が結婚するずーっと以前のことである。よってこの件は時効 だ、絶対時効だ!)
 ⑤・・・確かにそう言いました。でもどのような心境でそう言ったのかは今となっては思い出せな い。(当時の私を取り巻く「空気の流れ」や、雰囲気のせいだったのか?)
 ⑥・・・パラグライダーの専門用語では「ツリーランデング   Tree Landing」と言う。パイロット として操縦技術ミスの恥のうち最たるものである。例えれば、数学者が「1/2=0.5」を即 答できなかったり、医者が「風邪の正式病名」を知らなかったりと同程度のもの。(これを、2 回もやっちゃった!)
 ⑦・・・「高度差 50mを 3.n 秒で降下」は、普通は「50mを墜落した」と言う。明らかに過激な降下速度による降下である。 (だから、操作ミスで50m墜落したんだよ 怖かっ たな あの時は!)
 ⑧・・・これについては次のとおり   手術室で執刀医と2・3こと会話してるうちに、麻酔が効い て  “すとーん”   と意識が落ちた。6 時間後に気が付いてみたら肛門の位置が変わっていた。それだけのこと。(それだけのことではあるが、私にとっては「青天の霹靂」の 出来事だった。)
 ⑨・・・これも、35年ほど前のことだと思う。当時通勤途中にあるかなり急な段差の階段や、A社の玄関前の、頑丈に根付いた松の木の決して折れそうも無い横枝や、疾走する電車など が私に、それを誘っているように感じた時期のこと。
 夢中になって読み耽った本「自殺  について」ショーペンハウエルや「虚無思想入門」詳細は忘れた など。(振り返ると、読んだ本の内容も、そう感じた理由もまったく思い出せない。今では「わ ざわざ自分から死を選ぶこともないじゃん」といったテイタラクぶりだ。 「アノトキノ オマエハドウシタ」)
 ⑩・・・(そんなことキミ達には絶対頼まん!)
 ⑪・・・私もそうするよ。   だからと言ってキミ達を、こっちで待っていることも無いから、安心 してゆっくり   そのうち   お  い  で  !